2017年1月1日日曜日

【洋画推薦:公営団地から生まれたUKロックスターの軌跡】『オアシス:スーパーソニック』

英国の音楽史上、90年代最後の盛大な「花火」を

打ち上げたロックンロール・バンドは、オアシスの

他に無いだろう。寂れた工業都市マンチェスター

の労働者階級で公営団地出身のギャラガー兄弟

は、失業保険生活の日々から、ある日を境にして

ロックンロールスターの道を駆け上がっていった。


怒れる若者達としてのパンクさながらの荒々しさと

ビートルズ直系のポップさとメロディアスを携えて。




本作品は2009年に解散したイギリスの世界的ロックバンド「オアシス」の

初のドキュメンタリー映画です。「オアシス」の中心メンバーであるリアム

&ノエル・ギャラガー兄弟への新たなインタビューのほか、バンドメンバー

や関係者の証言、名曲の数々をとらえた貴重なライブ映像、膨大なアー

カイブ資料をもとに製作されており、見所は兄弟の「クレイジーなまでの

素行の悪さ」を基調にした、ロックンロールの初期衝動がいまなお現代

において更新され続けている事実だろう。


本当は、お前らバカだろ? と愛嬌を言いたくもなるのですが(苦)


 




1991年に兄ノエルが弟リアムのバンドに加入して「オアシス」が結成されて

から、2日間で25万人(英国人口の4%です!)を動員した96年の英ネブワ

ースでの公演までの軌跡を追っていくうちに改めて、彼らの成功がギャラ

ガー兄弟の絶妙のバランス(最初からバンド解散の内紛を抱えていた)で

構成されていたことを再認識させられる。



作品中に出る、兄弟の下品な4文字言葉が健在なことと、初代ドラマー

のイジメ問題をあっけらかん、と当事者取材で開示したり、日本の現代

著名人が薬物問題で揺れるなか、活動中の「ハッパ」、「覚醒剤」使用を

同じくあっけらかんと公開するあたり、ロックで成功することが当時の貧

困脱出の道であることを逆に痛感してしまう(他はサッカー選手か薬物

の売人になるかの時代とされる)。


本当は、お前らバカだろ? と愛嬌を言いたくもなるのですが(苦)


パンク・ロック顔負けの激しさとジョン・レノン風の声質を兼ね備えた天性

のフロントマン、リアムの歌と、地頭の良さ(ただし悪態を吐くときは弟より

も危険と思う) と、天才的作曲センスのあるノエルが作るメロディーが両

輪となって破天荒に音楽史を突き動かして、聴衆も一体となって応えてき

た、ネブワースまでの軌跡を再現するバンドは再び表れるのだろうか?


作品中の言葉を借りれば、答えはノーと思う。


なぜなら、労働者階級の彼ら悪ガキ的兄弟がインターネットが登場する以

前にもたらした「ロックンロールの初期衝動」と、観客誰もが合唱出来るポ

ップさを兼ね備えた彼らの名曲の数々に対する観客の返答そのものがネ

ブワースだから。(労働者階級のアンセム、ドント・ルック・バック・イン・アン

ガーの「泣きサウンド」は言うまでもないと思います)。


あらゆるUKロック好きにお勧めの作品です。


『オアシス:スーパーソニック』公式サイト

 

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