2017年12月2日土曜日

【洋楽推薦】21周年記念作品ではなく、挑戦を続けるステレオフォニックスのロック精神 最新アルバム『スクリーム・アバヴ・ザ・サウンズ』

http://tower.jp/item/4595036/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%90%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BA
英国・南ウェールズのロンザ谷近くにある

村、カマーマン出身のバンドであるステレ

オフォニックスは21周年を迎えたが、○周

年記念的な新曲入りベスト・アルバムでは

なく、最新アルバムを発売したことに、ファ

ンとして個人的にそのミュージシャン魂を

嬉しく思っている(なお、ベスト盤商法を必

ずしも悪いと思っているわけではない)。






彼らはデビューアルバム『ワード・ゲッツ・アラウンド』(97年)で

故郷カマーマンの日常を、ストレートに力強く歌い一定の評価

を得てから、王道のロック、米国の南部サウンドやオルタナテ

ィブ・ロックなどを吸収しながらUKの豊潤なポップを同居させた

音楽性で成長してきたが、今回の最新作も「前進あるのみ」の

精神で満ちている。



王道バンドは通常、作曲の面で壁にぶつかりやすいものだが

彼らは今回、ダンス・ミュージック、80年代調のシンセ・サウンド

の他、ポップなR&B、ホーンなどを取り入れながら、かつ、普遍

性のある曲に仕上げており、聴き応えのある一枚になっている。






まぶしく煌くギターのリフレインが特徴的なOP曲、『コート・バイ・ザ・ウ

インドウ』は、「森に潜む狼たちはルールなんておかまいなし 願いごと

はなんでもかなう 何でもありなんだ」と歌い、バンド自身と観客に勇気

を出してくれ、と真っ直ぐに鼓舞するかのようです。






映画のストーリーテリングを想起させる歌詞に、80年代調のシンセ

サウンド、ケリー・ジョーンズのメランコリックな歌声が織り成すこの

『オール・イン・ワン・ナイト』は、架空の映画の劇中曲を想像させる

ようで(ヨーロッパ映画の雰囲気がします)、彼らの挑戦の最たるも

ので、かつ、普遍的魅力に満ちているのではないだろうか。
 







大きな声で叫ぶだけがロックではない。誤解を恐れずに言えば

ロックは人生を上手に生きれない人間の歌だ。この『ビフォア・

エニワン・ニュー・アワ・ネーム』で青年時代からのバンドメイトで

初代ドラマーの今は亡きスチュワート・ケーブルに向けて、「俺達

どうなった? なるはずだった大人?」と抑揚の効いたトラディショ

ナルなピアノ弾き語りで寂しさを語っている。



21 周年目を迎えても、色々挑戦する彼らに今後とも期待したい。


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