2016年11月6日日曜日

【洋楽雑感:洗練されたサザン・ロックアルバム】キングス・オブ・レオン最新アルバム『ウォールス』 

皆さんは、サザン・ロックという音楽ジャンルをご存知だろうか?


アメリカ南部のカントリーや、ブルース、ハードロックなどを土台に

した、いぶし銀の泥臭くパワフルなロックンロールのことで、洒落

っ気という意味においては、邦楽中心のリスナーさんには馴染み

薄いかもしれない。ただし、米南部の泥臭さや武骨さを知ることは

洋楽を聴くうえでの、ちょっとした「教養」になると思うのだが。



何故なら、ブルーズやカントリーは現代ポップ音楽の源流だから。



なお、ローリング・ストーンズや、レッド・ツェッペリンに似た音楽性

なのかという質問もあると思います。類似ないし影響を受けてはい

ますが、微妙な違いがあります。


サザン・ロック、特に今回紹介するキングス・オブ・レオンは、カレブ

の歌い方がシャウトではなくアメリカ南部の野太い男臭ささや、男の

哀愁を漂わせることと、演奏もギターサウンドの壁を作るより、単純

にドラムもベースもふくめ楽器一つ一つの音をラフに太く、少し重さ

を引きずったようなグルーブが彼らの特徴で、これが先のストーンズ

の南部感や、レッド・ツェッペリンの攻撃性との違いになります。






キングス・オブ・レオンは、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビル

出身の、カレブ・フォロウィル率いる3人兄弟と従兄で構成される

バンドで、第52回グラミー賞受賞に輝いているのだが日本での

知名度は「通好み」止まりのようなのが個人的には悔しいところで

あります(笑)



彼らはペンテコステ派の伝道者の息子で、幼少期からルーツ音楽

を初め、色々な音楽に接してきた背景を持つキングス・オブ・レオン

は、派手さはないが、本アルバムでは泥臭さ、キャッチーさ、ポップ

さを上手く混ぜているのが特徴です。


あのボブ・ディランも高く評価している、とされています。






最新作『ウォールス』の1stシングル『ウェスト・ア・モーメント』

青春っぽさ満載の歌詞に、ドライブ感満載のビート!

芯にある男臭さのある枯れた歌声!





「闘わないなんて男じゃない」、「欲望がなければ男じゃない」と

真っ直ぐな男気ある歌詞と、西海岸ロックの哀愁漂うバラードの

『WALLS』は叫び上げるだけがロックじゃないことを見事に証明

している。


CDジャケットのデザインはメンバーの顔を現代アート風にデザイン

したもので(悪趣味っぽさと言うのか)王道で古風なロックンロール

とは相当掛け離れていることだ。しかし、逆にこうであると決めるこ

と自体がロックじゃないし、過去作品という壁(ウォールス)を超えて

洗練されたポップさが調和したサザン・ロック・ナンバーを完成した

彼らの吹っ切れた心境が表れている気がする



幾多のピンチを乗り越えて、彼らは大した奴らだと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿