この漫画の舞台はニューヨークのブロンクス区にあるニューヨーク市警
の51分署の警官たちの人間模様です。作品名のCOPPERSとは、警察
官を意味するスラングCOPPER(カッパー)の複数形で、由来は昔の警
察官の制服は銅(COPPER)のボタンであったためとされる。
作品は全2巻です。
尚、余談ですが、現代になって、この単語は短くなりCOP(コップ)になる。
作風はまるで洋画を見ているようなタッチの人間描写に、日本風の
刑事モノの文法を組み合わせた作品です。物語の始まりは51分署
長が入院し、警部補カッツェルが署長代理に就任した早々、篭城事
件の発生により主要登場人物の人間模様が動きだし、誰が誰でなく
あることを話し始める。
署長代理のカッツェルには新しい職務や任地に赴いた初日及び最終
日には何か騒ぎが起こる、というジンクスがあるらしい……。果たして
最終日にジンクスは起きるのか? また彼のジンクスの影には何が?
曇り時々晴れ、冬の寒さと雪、デリに集まる警察官たちの息遣いなど、
この作品は事件の扱いそのものよりも人間描写や独特の「間使い」に
あります。さながら、手触り感のあるようなアメリカントラディショナルな
雰囲気のタッチになっています。
デリのサンドイッチやドーナツも匂いが漂いそうな感じです。
万年ヒラの巡査だが街の皆から好かれているタイラーや独特のこだ
わりを持つ若手刑事のヴァル、仕事力はあるが悩める「乙女」である
女性巡査のモーリーン、エリートコースでありながら警部昇進試験に
一度落ちてから次を受けようとしないヴォス警部補など、個性豊かな
警官達がブロンクスの街角で物語を進めます。
「覚悟は手に提げるもんじゃない 持ってたって見えない」
「ジンクスは周りが決めることじゃないわ。本人が決めることなの」
秋の夜長、お茶をしながら洋画気分に浸れる一冊です。
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