一見すると写真に見えますが、実は絵画なのです!
細密な写実絵画です。
島村 信之 《日差し》 2009年 |
最近、知ったのですが、千葉県には日本初の写実絵画専門の
美術館になる、ホキ美術館があるとのこと。
阪急百貨店ミュージアムに今回、『ホキ美術館名品展』が来た
ので、さっそく脚を運んできました。
15世紀の初頭、レオナルド・ダ・ヴィンチを頂点に完成されたと言われる
のが写実絵画。しかし、19世紀初頭に写真が発明されますと写実絵画
の価値が下がり、抽象絵画をしないものは画家にあらざるという世相が
表れたこともあって、画家から写真家に転向する人も続出したそうです。
羽田祐 《サン・ジミニアーノ初夏》 2012 |
原雅幸 《光る海》 2010 |
ホキ美術館公式サイトの説明を借りると、「写実とは、目の前にある対象を
再現することでも模倣することでもなく、その対象のずっと奥にあるものと
出合うこと」、「物事の本質を見つめ続け、存在を描くこと」となっている。
話は少し変わるがボタニカルアート(植物学的絵画)というジャンルがある。
産業革命以前より専門誌も発行され続けており(英国キュー植物園)その
理由のひとつが、人間の目だけが本質をサンプリングし、描くことで第三者
に「本質」を伝えることが出来る(もちろん、ボタニカルアートは専門の教練と
学識が必要となってくるが)からだ。カメラは写すことしかできない、と。
このことは、写実絵画が現代で問われている役割にも繋がっていると思う。
僕の絵心は、ノートに雑な鉛筆スケッチが関の山(笑)ですが、3ヶ月から
長いもので1年をかけて描かれる写実海外の世界で、皆さんも芸術の冬
に、心揺さぶられてはどうでしょうか?
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