た、と言われるロックンロールだが、この
男ことリアム・ギャラガーが英国マンチェス
ターで、ジョン・ライドン、ジョン・レノン、イ
アン・ブラウンの曲に出会うまでの、彼は
何もない街の労働者でしかなかった。しか
し、後にUKの音楽シーンは彼と彼の兄に
よって新しい普遍性を生み出すのだった。
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【関連記事】
●『映画 オアシス:スーパーソニック』
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ジョン・ライドンばりのカリスマ性と、ジョン・レノンのウイットさ
と、イアン・ブラウンのセクシャルがミックスされた声質と強烈
な行動力(粗暴と言うほうが正確だが)を武器にロックスター
の階段を駆け上がった彼は、オアシス、ビーディーアイ解散
を経て今回、見事なソロ・アルバムを完成させた。自分だけ
の作曲・プロデュースではなく、グレッグ・オースティンなどの
素晴らしきブレーンとの共同制作だが、彼が魅力的なロック
ンロールシンガーであることを証明した作品になっています。
アルバムの筆頭を飾る、ロックンロール・チューン『Wall Of Glass』
は、重く歪むノイジーなギターとブルースハープの出だし、リアム
御定番の高慢不遜な歌声と、ゴスペル風の女性コーラスのヴィヴ
ラートが絡んでいく展開は、古典的ながらも埃臭さはなく、リアムの
声のコンディションも全盛期に匹敵するかのようで(早朝ランニング
を日課にした成果が出てますねぇ)、バンドの形式を離れてソロ活
動になった彼が見つけ出した答えとも言える曲になっています。
言うまでもなく答えは、ロックンロールは今でも不滅なことだろう。
オアシスの雰囲気を感じる、『For What It's Worth』も素晴らしい。
彼は「先に吠えたもの勝ち」のような態度が基本な一方で、感傷的で
ある意味弱音を見せる曲を歌って(オアシス時代は『Don't go away』
あたりの曲だろうか)、高慢不遜なキャラが鈍ってしまうのも魅力です。
特に「言っても仕方ないけど/傷つけてごめん/でも体の奥では炎が
燃えている」という率直な心境が歌詞で表現されていて、魅力的です。
なお、誰に向けての心境メッセージなのかは想像の通りかな?(笑)
全体を通して、昔の自分に恥じない自分であろうとするリアムの思いが
不器用ながらも成長して表現されているソロ・デビューアルバムだと思い
ます。
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