2017年10月2日月曜日

【漫画推薦】刑期100年を終えた男と、世話焼き娘が60年代のLAで運び屋コンビを組む『レディ&オールドマン』

オノ・ナツメさんの漫画の特徴は、何を今更と

言う向きもあるかとは思いますけど、海外の漫

画やアートに強く影響を受け、まるで外国映画

を見るような大人な雰囲気とテンポの作風さに

あります。

今回紹介する『レディ&オールドマン』はその

作風を遺憾なく発揮し、60年代のアメリカ、ロサ

ンゼルスのオールディーズな雰囲気を同年代

映画のように描きます。


舞台は63年の米国・ロサンゼルス郊外。

好奇心旺盛でお節介焼きなダイナー(食堂)の

娘、シェリー・ブライトは、彼氏と別れたある日

の午後、100年の刑を終えて出所したという「老

人」と出会い、ひょんなことから自宅のダイナー

に連れて帰ることになる。旧収容棟の「最後の

住人」と噂される彼の正体は何と……。


ここから物語は動き出す。


時に事件に巻き込まれ、時に事件を解決しな

がら、何も出来ない男と、好奇心で行動派の娘

の2人はある成り行きから「運び屋」として相棒

同士となり、街から街へと渡り歩く。


彼らの通り名は“レディ&オールドマン"!


静かに迫る、謎の追っ手の追跡を逃れながら
 
男は、自分自身の過去を見つけることが出来る

のだろうか?
















現在、ウルトラジャンプで連載中で、話の盛り上がりもこれから

のところですが、ウルトラジャンプという青年誌のなかで60年代

の米国(戦後の穏便な平穏さから、若者たちのカウンターカル

チャーの扉が開いた時代ですね) の臭いがプンプンする作品

を描いているのは、逆に新鮮で斬新に思えます。ジョージ・クル

ーニーの映画『マイ・インターン』で主人公が述べる「クラシック

は不滅だ」はクラシックの普遍さを説いた台詞ですが、普遍的

作風の中で織り成す主人公2人の凸凹な相棒関係も魅力的で

す。


片方は100年の刑務を終えた静かな年季を感じさせる男、また

一方はまだ人生これからで度胸と好奇心満載の19歳の小娘。


余談ながら、作中にスティーブ・マックイーンやレコードだけが

上陸したばかりで米国ではまだ無名のビートルズがちらっと

登場したり、主人公がエルヴィス・プレスリーのことを知らない

など、作品の時代感と独自性を打ち出す描写にも注目です。


これからも続きから目が離せない作品です。

【書籍推薦】極限に挑む男と野良犬が起こした奇跡の感動話 『ジャングルの極限レースを走った犬アーサー』

https://honto.jp/netstore/pd-book_28389647.html
2014年のアドベンチャーレース世界選手世間に

参加し、目指すは優勝のスウェーデンチームの

なかに著者で隊長のミカエル・リンドノート氏は

奇跡の友情を経験する。標高7000メートル、全

長700キロメートルを走破しなければならない過

酷で、泥まみれ、傷まみれのレースで彼が経験

した軌跡の友情は、道中で出会った一匹の野

良犬だった。これは極限下を生きてきた著者と

一匹の犬の共鳴するかのような出会いと交流を

描くノンフィクションです。






少年時代から、お前は弱いとずっと言われ続けてきた著者の

リンドノート氏は、子供の頃はプロのホッケー選手になること

を夢見てきた少年だった。しかし、1993年のある日、コーチか

ら戦力外通告を受けた少年時代の彼はすっかり打ちひしがれ

た。生まれつきの才能があるわけでなかったが、彼はスポーツ

を心から愛し、勝ち負けには徹底的にこだわった。



やがて兵役義務の年齢が来ると彼は最長15ヶ月の軍事訓練

を選択し、レンジャー訓練も乗り越える。あのアイスホッケーの

件があって以来、自分は何かを成し遂げられる存在であること

を、父親と自分に証明するためにだった。兵役を終え、しばらく

すると彼は自分を虜にするスポーツ、アドベンチャーレースに出

会うのだった。






このアドベンチャーレースは、過酷な地形のトレッキングにオリエ

ンテーリングの要素を加え、サイクリング、急流のカヤック下りな

どを組み入れており「やるような人間はまともじゃない!」競技と

されている。



この作品は、こんなタフネス精神の持ち主だが、いままで犬を

飼おうなんて一度も思ったことのないリンドノート氏と、ペットの

保護意識が希薄だったエクアドルを傷だらけで生きてきた野良

犬アーサーの忠犬ぶりさと間抜け犬ぶりさの程よいバランスが

織り成す、「北欧版の忠犬ハチ公」かもしれない。すべての動物

好き(特に犬好き)にお薦めの一冊と思います。



極限を生きてきたもの同士が、レースを通して心で通じ合い、最

後に絆以上のものを得て、エピローグへと走っていく姿は、ペット

の飼育放棄が散見される日本において、人間と動物とのあるべ

き関係を見せているようで、読者の心を打つことでしょう。


 

2017年9月30日土曜日

【書籍推薦】ある独立した女性がベルリンの散策で見つけたものとは? 『百年の散歩』

私小説というジャンル自体、現代では数少ないと

思う。絵空事のストーリーを楽しむロマン主義

否定する形で生じたリアリズム写実主義)の極

北に相当する作品で、身辺や自分自身を語る作

品が私小説というジャンルと思うが、この作品は

エッセイ風にも感じられるし、著者の言葉遊び(韻

を踏む)や、主人公のハードボイルド探偵のよう

な視線や空想世界が闊達に描かれるなど、私小

説のイメージを超えた、ベルリンという街を通した

自分(独立した女性像)と「都市論」になっている。









主人公のわたしは今日もあの人を待っている、ベルリンの通りを歩きながら。

都市は官能の遊園地、革命の練習台、孤独を食べるレストラン、言葉の作業

場、と思いながら。世界中から人々が集まるベルリンの街を歩くと、経済の運

河に流され、さまよい生きる人たちの物語が、かつて戦火に焼かれ国境に分

断された土地の記憶が立ち上がる。



本作はガルシア・マルケス『百年の孤独』を想起させるタイトルだが、 オマージ

ュと言うよりはむしろ、2006年よりベルリン在住の多和田氏が街を歩きながら

発見したり感じたりしたことを主人公に託し、「あの人」に最後の最後まで会うこ

とがない(あの人の性別は作品中では語られない) 都市での孤独と、戦後のベ

ルリンという都市が歩んできた「孤独さ」を百年という数字にあやかって表現して

いる気もする。しかし、その孤独さは、瑞々しい文体と刹那さ、先ほども述べた言

葉遊び、空想、様々な歴史と文明が入り乱れるベルリンに実在する10の通りの

情景を舞台にして、紛れ込んでいきます。


作家はなんで頼まれもしないのに自分を私小説で話すのか?


以前、上野千鶴子氏が多和田氏の作品を、ジェンダー論の視点から絶賛した記

憶があるが、この作品はジェンダー論を感じさせるものでもないし、逆にベルリン

という都市がすぐになじめる感じでないことが伝わってくる。(客観的にどうである

のかは別として)。しかし、僕の記憶が誤りでなければ多和田氏はまだ独身のは

ずであるし、異国の地で感じることが多々あるはずな以上、本書は現代における

私小説の新しい答え(海外における独立した女性像)を出す上での興味深い一冊

になると思います。


2017年9月29日金曜日

【漫画推薦】あるのはキネマへの「愛」と「哀」の喜劇なんですね 『木根さんの1人でキネマ』

いけない…

人間趣味にハマリ出すと○○好きは

こうあるべきだと ありもしないルールがある

と思い込み 更に他人にもそれを強いる

第3巻16本目『ファイト・クラブ』より


30ン歳独身OL・木根真知子(きね・まちこ)さん

の趣味は1人で映画を観ることと感想を自身の

ブログ『1人でキネマ』に書くこと。会社では課長

職で、実は美人なのだが偏った映画愛のため

に迫害(苦笑)を受けてきた彼女は、社会性(擬                 
態)を使い、会社では趣味が映画なのを隠して

います。

こじらせちゃってる木根さんの残念な生き様(笑)

を通して見えてくるのは、映画好きの映画好き

による、映画への「愛」と「哀」が織り成すギャグ

の数々です。人間、自分が好きなものを他人に

推薦するときにあるのは自分は○○な人間な

んだよ、という社会的承認欲求が根底にあるも

のですが、マズローの欲求5段階説の通り、こ

の欲求が承認されないと、人は孤独感に陥りま

す(趣味は自己実現欲求の一部でもある)。                    

この作品はキレイな画力でそのあたりの孤独を

上手く、パワフルなギャグ漫画へと昇華させて

おり、正に映画好きの映画好きによる、キネマ

への「愛」と「哀」が堪能出きる作品です。作品

に登場する映画タイトルも、「ターミネーター3」

や、「ファイト・クラブ」など絶妙の偏り加減で

す。元ネタを知る人も知らない人も楽しめます。

 しかし、自分の姪に『ジョーズ』って(苦)














あと、映画も作品によってヒエラルキー(階級)がある

ことに触れつつも、好きな作品を好きに見る木根さん

の姿勢が痛快です。「どんな映画が好きかで人間の

価値が決まるわけじゃないのに…」

余談ながら僕自身、アンドレイ・タルコフスキー監督の

作品群に挑戦したこともありましたが難解でした(笑)


ある意味、これはギャグマンガの姿をした映画ファン

の「愛」と「哀」を巡るルポルタージュとも読める気が

するのは気のせいだろうか?  否、間違いない。


ヤングアニマルDensiで連載中です。

【書籍推薦】イギリス湖水地方の四季と祖先代々の牧羊労働の情景とは? 『羊飼いの暮らし』 

https://honto.jp/netstore/pd-book_28234746.html
著者のジェイムズ・リーバンクス氏は、『ピーター

ラビット』の故郷、イギリスの湖水地方で六百年

以上つづく羊飼いの家系に生まれ、羊飼いの仕

事を生業とする傍ら、ユネスコの持続可能な観

光についてのアドバイザーを務めている。同書

は、と きに厳しい自然の中の暮らし、生業への

葛藤……世界で最も古い職業の一つである羊

飼いの生活をユーモアを交え、祖父・祖母の時

代を含め、四季の移ろいと共に述べた一冊で

す。






牧羊は決して、「牧歌」的な生活ではない。 羊たちの冬を越す餌となる

干草作りは過酷な肉体労働だ。梅雨で腐らないうちに要領よくしなけれ

ばならないし、シーズンを問わず羊たちの健康管理(病気や害虫)に気

を配り、他の牧羊業者との羊の売買商談では、自分が育てる羊の遺伝

子という名前の「品質管理」を先祖代々の感性を頼りに背負わねばなら

ない。



著者が父親とする、羊毛刈り取りの生産性勝負は微笑ましくも、この仕事

の過酷さを伝えてくれる。しかし、著者の湖水地方の美しい風景描写と詩

的な文章が、魅力的に読者をまだ見知らぬ世界へ誘ってくれる。








本書は、ワーズワースロバート・フロストなどの言葉がしばしば引用され

るし、著者はオックス・フォード大学も卒業しているが、現代の産業社会が

「どこかへ行く」ことや「人生で何かを成し遂げること」の大切さに取り憑か

れていることを知ってからは、地元に残って肉体労働をすることにはたい

した価値がないという考えが、大嫌いだとしている。 他に望むものなど何

もない。これがわたしの人生だ、と。



実に堂々とした姿勢であるし、英国人の、keep a stiff  upper lip(困難な状

況でも、本当の感情を隠して冷静さを保つ)や、不屈の精神を持つ本当の

イギリス人精神=ジョンブル魂とは彼のような男のことを言うのだろう。



余談になりますが、彼は文書作成がとても苦手でPCタイピングも数本の

指先でポチポチ入力と告白する、お茶目なところがあります。



見知らぬ羊飼いの生活や人生を聞かされても、と思う向きもあるかもしれ

ませんが、本書は階級社会の英国において著者が、いまなお先祖代々の

牧羊共同体を守っていること、社会の梯子を登って学問を得たこと(これは

構内清掃員の仕事をしながらコロンビア大学を卒業したガッツ・フィリーパイ

氏の話に負けず劣らずと思う) 、 次第に侵食されいく伝統的景観への警鐘

や、家族のありかたや役割など、様々な社会的要素を含んでおり、さまざま

な賞にもノミネートされています。



牧羊者(ファーマー)家計に生まれた男の自伝としてだけでなく、「働く」という

ことを問い直す一冊にもなっており(職業に貴賎なしということが本当である

ならば彼のような姿勢を言うのだろう)、他に類を見ないノンフィクションです。


 

2017年9月28日木曜日

【書籍推薦】経営学書ながら、人類・文明・環境論でもある一冊 『社員をサーフィンに行かせよう』


https://honto.jp/netstore/pd-book_28479229.html
表題からして、働きかた改革の先駆者としてフ

レックス勤務の合間にサーフィンをしている会社

の経営哲学を想像したが、読んでみると見事に

意表を突かれてしまった。単に僕のアウトドア知

識の無さもあるのだが、パタゴニアは「ビジネス

を手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に

向けて実行する」ことをミッションとする他に類を

見ないアウトドア用品会社であったのだ。本書

は経営学書でありながら、人類・文明・環境保護

論も喝破している稀有な一冊になっている。








著者でパタゴニアの創業者兼オーナーである、イヴォン・シュナード氏

は、鍛冶職人、クライマー、カヤッカーなどいくつもの顔を持つ生粋の自

然遊び人間だ。自分自身ではビジネスマンを誇れる仕事とは思えない、

と評している。しかし、自分自身のアウトドア経験で培われた常に最高

を目指す製品デザイン(ただし流行は追わない)、コストより品質を優先

する製造、利益を目的としない財務会計、売り上げの1%を地球環境の

ために還元し、衣類製品は耐久の限界まで顧客からの修理の要望に

応じるなどビジネス界の常識に囚われない手法でパタゴニアは半世紀

近く生き残り、むしろ栄えてきた史実は、MBAに代表される米国流経営

と間逆であり、思わず賞賛を送りたくなる。







経営書でありながら、内容にアウトドア衣類の原料となる綿畑で使用

される薬剤の一覧を紹介し、これらが如何に自然や人間に悪影響を

及ぼしていることや、そのような工業型農業(米国では航空機で農薬

を散布したり、作業員は防護マスクを着用する)がもたらす温室効果ガ

スの巨大さから、オーガニックコットンを原料に選んでいることを述べる

くだりは衝撃的だ。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を想起させる。


春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。


経営書でありながら、人類・文明・環境保護論でもある本書のインパクト

は計り知れなtい。もちろん、パタゴニアは初めから環境問題に取り組む

プロであったわけではないし、品質の追求もしかりだ。しかし、本書に満

載されている写真の数々を見るにつれて、大自然で遊ぶ彼らが、環境と

品質追求の道を経営指針としていった理由を痛感させられる。



レイチェル・カーソン女史が警鐘を鳴らしてから、もう随分なるが僕たちは

まだ踏みとどまれるラインにいると思う。本書の『社員をサーフィンに行か

せよう』という題名は同社の中核の一部でしかなく、品質担当の実務担当

者や、研究者、環境経営や自然保護に興味を持つ全ての人にお薦めの一

冊です。

2017年2月7日火曜日

【洋画推薦:人気北欧ミステリー映画化第3弾をシネ・リーブル梅田「未体験ゾーン2017」にて】『特捜部Q Pからのメッセージ』

http://www.tokusoubuq3.jp/
北欧ミステリーの醍醐味とはなんだろうか?

日経トレンディにある書評ライターの杉江松恋

さんの記事によると、平和な福祉国家のイメー

ジがある北欧ですが、「腐敗した政界、東欧や

アフリカからの移民問題、多発するDV事件、性

差別、児童虐待、労働力または性的対象として

の人身売買など、非常にシリアスなもの」という

ものへの社会批判が根底にあり、刑事が事件

を解決することで、ミステリーでありながら社会

問題を批判するジャンルを確立しているのだ。





当作はデンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの人気ミステ

リーシリーズ「特捜部Q」の映画化第3弾で、北欧の権威ある文学賞

「ガラスの鍵賞」を受賞した「Pからのメッセージ」の映画化作品です。

国内上映劇場は、ヒューマントラストシネマ渋谷か、 シネ・リーブル

梅田の2ヶ所だけなので、尚更レア感が高まります。


舞台はデンマーク王国、コペンハーゲン警察。


仕事人間で有能だが少々扱いずらく、過去の事件にて部下を亡くした

経験を持つ主人公のカール・マーク警部補は、復職後、半ば左遷先の

部署として地下室に作られた未解決事件捜査の専門部署「特捜部Q」

に配属され、シリア系デンマーク人の部下アサド、と秘書ひとりだけで

任務にあたっている。(なお、カールは嫁さんに逃げられており、息子さ

んが残されている)


ある日、 新たな捜査依頼が舞い込む。


海辺に流れ着いたボトルの中から「助けて」と書かれた手紙が見つか

ったのだ。手紙は7、8年前に書かれたもので、インクのにじみが激し

く、ほとんど解読することができない。差出人の頭文字「P」を頼りに行

方不明者の割り出しを進めた特捜部Qのメンバーたちは、やがて衝撃

の事実にたどり着く。



実を言うと、本作を見るために前2作を

レンタルしてからリーブル梅田に臨んでき

たのです(笑)が、製作スタッフが「ミレニア

ム ドラゴンタトゥーの女」ということもあり

まして独特の陰鬱さ、と緊張感に満ちた

良質の社会派ミステリーに仕上がってい

ます。EUの基本的理念にある、「多元的

共存、無差別、寛容」の精神が崩れようと

するなか、シリア系捜査官を相棒に懸命

に捜査をする姿は現代への警鐘ですね。






あと、専門外なので少し説明しにくいのですが、北欧はルター派

のプロテスタントの国というイメージがありましたが、作品では地

域コミュニティの新興宗教という構造が悪魔の子を「産み」、誘拐

と、連続殺人を重ねる姿は、福祉とリベラルを取り入れた資本主

義の成功モデルを示したかに見えた北欧の内実は、福祉とリベ

ラルの両立がままならない社会を暗喩しているように思いました。


余談ながら、デンマークはアルコールや薬物の乱用、抗うつ薬の

摂取量が第4位の国とのこと。これをどう解釈するかは別の問題

になるので、横に置きますが、同国が幸福度ランキング1位なの

に、どうして、と気になるところです(詳しい人は教えてください)。


独特の味わいの残る、この冬にお薦めのミステリー作品です。